この度、ZEIT-FOTO kunitachiではオノデラユキの初期の小品を中心とした展覧会『Everywhere Photographs』を開催いたします。
ツァイト・フォト・サロンで初めてオノデラユキ展を開催したのはまだ日本橋にギャラリーがあった1995年、“DOWN”三部作[1]のうちのひとつ『液体とコップ』の展示でした。当時フランスに拠点を移して間もなく、ほぼ無名だったオノデラですが、持ち込んだ作品の自在な表現力と独自性に惚れ込んだ石原悦郎は展覧会の開催を即決、以来20年以上にわたる新作発表の場となりました。常に新鮮な驚きをもたらしてくれる新作を生み出し続けるオノデラを、石原は一貫して応援し続けました。そしてオノデラユキはギャラリーの看板作家の一人となり、そのグローバルな活躍によってギャラリーを支えてもくれました。
現在、ツァイト・フォト・サロンはZEIT-FOTO kunitachiとして故・石原悦郎の私邸での営業を行なっております。『君が走っているのだ、僕はダンボの耳で待つ』(1991)や『Dog』(1991)など、繊細でありながらユニークで実験性に富んだ初期の珠玉のような小品をはじめ、その後の人気のシリーズの数々を、石原の過ごした空間いっぱいに展示いたします。ザ・ギンザ スペース「オノデラユキ FROM Where」展、ユミコチバアソシエイツ「オノデラユキ TO Where」展とあわせてご高覧いただけますと幸いです。
[1] “DOWN“三部作 part-1『液体とコップ』於:ツァイト・フォト・サロン、part-2『古着のポートレート』於:ガレリア・キマイラ、part-3『鳥』於:Aki-Ex ギャラリー、三つのギャラリーでの共催。
Chair 1989 18.7x18.7cm
白と玉 No.11 1993 32x32cm
オノデラユキ
1962年東京生まれ。1993年よりパリにアトリエを構え世界各地で活動を続ける。
あらゆる手法で「写真とは何か」「写真で何ができるのか」という実験的な作品を数多く制作し、写真という枠組みに収まらないユニークなシリーズを発表している。その作品はポンピドゥ・センターを始め、サンフランシスコ近代美術館、ポール・ゲッティ美術館、上海美術館、東京都写真美術館など世界各地の美術館に収蔵されている。主な個展に国立国際美術館(2015)、国立上海美術館(2006)、東京都写真美術館(2010)、ソウル写真美術館(2010)、フランス国立ニエプス美術館(2011)など多数。
関連企画
●『オノデラユキ FROM Where』
ザ・ギンザ スペース
東京都中央区銀座5-9-15 銀座清月堂ビルB2F
2020年9月8日〜11月29日
●『オノデラユキ TO Where』
ユミコチバアソシエイツ
東京都新宿区西新宿4-32-6 パークグレース新宿 #206
2020年9月8日〜10月10日
Dog No.4 1991 18x17.5cm
ご来廊に際してのお願い
*マスクの着用と、玄関での手指のアルコール消毒にご協力をお願いします。
*発熱や咳等の症状のある方はご来廊をお控えください。
*混雑が生じないよう、お待ちいただく場合があります。